土地を売るときに注意してください!

不動産・建築
昨日、あるお客様がアドバイスが欲しいということで、当社まで来られました。
なんでも土地を売ったらしいのですが、頼んだ不動産業者が頼りなくて心配で相談に乗ってほしいということです。

4月に売買契約を結び、引き渡しが今月の5月末だということです。
売主として土地の測量を行い、境界確定をしてくださいということで、測量業者を不動産業者から紹介してもらって、正しい見積なのかもわからないので、よければ、当社にアドバイスついでに測量もお願いしたいということでした。

話を聞きながら、思ったことは、まず重要なことは測量しての境界確定です。



引き渡しまで、もう1か月もないのに、今頃不動産業者が測量業者を紹介するのって遅いんじゃないの?

「Aさん、今回の契約では境界確定は売主責任になっていますか?なっていなければ問題ありませんが、売主責任になっていれば即、動かなければなりませんよ。」

「さあ、どうでしょう。不動産業者からは早めにしてくださいと言われているだけで、いつまでにしてくださいとは言われていませんけど。素人だからわからなくって!」

通常、土地売買契約をすると、隣地所有者との境界確定をするのが常識であり、これが引き渡しまでにできなければ、最悪、契約違反となり多大な違約金を払わなければならない状態になりえます。

なので、仲介の不動産業者はそういったミスを犯さないように早めに売主のために動いてあげなくてはなりません。

私は何故、早めに動かなければならないのかというと、隣地所有者から承諾の印鑑をもらわなければならないからなのです。
隣地所有者といっても、個人、法人、国や市などの行政機関などがあり、また、土地の所有者が一人ではなく、何人も一緒に共有ということもあります。

そういう権利関係をしっかりと把握して、全員の印鑑をもらわなければならないのです。
お隣さんがたまたまその隣地に住んでいて、快く承諾印をもらえるのなら簡単なのですが、中には隣地に住んでおらず、他の町や海外という人もいれば、長期入院、行方不明で連絡がつかない人もいます。
そうなったら、1カ月で承諾の印鑑をもらうことは困難となってきます。

その結果、引き渡しまでに間に合わず、解約となって違約金の支払いとなってしまうんです。

そういったことを経験上、知っているので、早く動いた方がいいと思うわけです。

いくら、当社が仕事欲しさで安くで受けても、最後にはお客様が違約金を払うことになったら、これこそ本末転倒な話になってしまいます。

「Aさん、その不動産業者の言葉を信じるには、契約書を見てみないと、私は大丈夫とも危ないとも言えません。契約書を見せてもらえますか?」

「わかりました。是非チェックしてください!」

その契約書を見て、境界の条項を見てみると、やはりありました。

売主は引き渡しまでに境界杭の設置と確定書の明示と書かれてあります。

これは、売り主責任となります。

ついでに契約違反による解除の条項を見ると、

手付金の返還とともに同金額を支払わなけれならないと書かれています。


「Aさん、これは早く手を打たないとだめですよ。当社に測量の依頼をしてくれることは、大変ありがたいことですが、測量を当社が受けるにあたって、事前調査したりするだけで1週間そこらかかりますし、あまりにも時間がなさすぎます。これはAさんのためにはなりません。一刻も早く紹介された測量業者さんに動いてもらってください。

「パルナスさんの仕事になってもらうと私も嬉しいのですが、今回はわかりました。しかし、アドバイス頂き、本当にありがとうございます。知らなかったら大変なことになっているところでした。感謝します。」

というわけで、無料アドバイスになってしまったわけですが、こういうことは無料でも嬉しいことです。迫ってくる不幸を事前に防ぐということは、開運にもつながります。
不動産・建築風水コンサルをしている私としては、よかったと思っています。

しかし、この不動産業者の怠慢には怒りのようなものを感じます。

売主・買主は基本的に素人であり、不動産というのは専門知識を必要とし、かつ大きなお金が生じます。正直、素人の方にはよくわからないことも多くあります。それゆえ不動産仲介業が存在し、その業務を行うためには免許が必要となるのです。

また、土地というものには歴史があります。
今、住んでいる土地はずっと長い間、自分たちが住んでいる前から多くの人々が住んでおり、生活しています。
過去にあった歴史も土地は受け継いでいるのです。その歴史の上で、私たちは縁があって住んでいるのですから、大切に扱うことが重要です。

そういう深い不動産業をしっかりと心に留めて業務を行うことは業者としての心得です。

この業界に身を置くものとして、改めて認識させてもらう件でした。

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