風水とは

天地自然の力を借りて、環境と調和する究極の智慧

風水とは、古代中国から始まり、日本に伝わり、都市建設や陵墓、建物など、あらゆる面において重要な役割を果たす技術で、自然と人間の調和を追求することを目的としており、自然の力を活用して人間にとって幸福をもたらすことを目指しています。

風水は、「風」と「水」の言葉に由来します。これは、自然を意味する代名詞であり、人間が生きるために必要不可欠なものです。宇宙空間に存在する地球は、自然法則に従って回転し、季節がやってきます。この自然法則で形作られた景観が私たち人間の目前に広がっています。

この自然の景観が生じる「天地の気」と、人が持つ「人の気」の感応関係を研究し、調和を図ることを目的として、自然の力を上手に利用して墓や住宅を造れば「福禄寿」をもたらすことができると考えられています。

風水は、自然と人間の調和を追求することを通じて、より良い生活を実現するようにと、現代の風水師たちは、この素晴らしい技術を発展させ、新しい発見をするために研究を続けています。風水は、人々がより豊かな生活を送るための大きな可能性を秘めているのです。

晋代の3~4世紀に書かれた「葬書」という文献に「風水」という言葉が出てきます。

『葬は気に乗ずるなり。経に曰く、気は風に乗じて則ち散んじ、水に界されて止む。古人これを集めて散じぜしめず、これを行かされば止あらしむ。ゆえにこれを風水という。風水の法は水を得ることを上とし、風を蔵することこれに次ぐ』

要約すると、

生気は風に乗せることが重要である。気は風に乗ってあまねく広がって、水によって止まる。古人はこの生気を集めて広がって散らばらないようにしたり、止めないで行かせたりして気を操るのである。だから風水というのである。風水の技法は水がある場所を最上とし、風を集めて蓄えることは次に重要である。

このように風水とは、「風」と「水」で、人間に必要な気の動きを操作するための地理的条件を整えるということで、環境を整えることで自然が発する生気を確保する方法論なのです。

評価方法として、

1. 風水環境が生きている人間だけではなく、祖先に対しても好影響を与えているか

2. 風水環境が、地形・地勢・水流・植物など自然環境と、宇宙の運行(陰陽五行・八卦・干支など)と相関性と調和が図れているか

3. その結果、生きている人間および未来の子孫に対して福禄寿をもたらすのか

おおよそこの3点を中心に風水空間のあり方を作っていきます。

さきほど述べたように、日本でも都城、天皇家陵墓など風水判断を持って実施されてきました。

中国が起源の風水ですが、東アジアを中心に風水思想は伝わり、民間レベルでも取り入れられています。また欧米でも1800年代から学者による風水研究がなされ、多くの研究論文が発表されたことで欧米に伝えられ、今では風水建築が多く取り入れられています。

風水の種別



風水を大別すると『陰宅風水』と『陽宅風水』に分かれます。

『陰宅風水』とはお墓の風水であり、『陽宅風水』は都市や建物の風水です。

陰宅と陽宅を風水評価する方法として、『巒頭(らんとう)風水』と『理気風水』があります。

『巒頭(らんとう)風水』とは、

土地の気の勢いや質を地形等の形成を目で見える有形のもので判断する方法で、大地における気の流れを重視して評価します。

気の流れや風や水の配置がどのような形になっているか、風水理論で言う「四神相応(青龍・白虎・朱雀・玄武)」や「龍穴砂水向」でお墓や建物がパワースポットの場所にあるかを判断するほか、自然形状や人口造形物から発する気が人に殺気を与えるのか、それとも生気を与えるのかを判断します。

『理気風水』とは、

空間と時間には旺衰があるという考えで、陰陽五行・八卦・易・干支などに当てはめて、時空の旺衰を判断します。

時間の変化、方位空間の変化で吉凶を判断して、移転や工事の時期、空間の配置を決めていく方法です。

吉凶判断するために、風水羅盤を使用します。

風水と言っても各流派があり、三合派、三元派の大きな流派が存在し、さらに細かく流派が分かれていますが、どの流派も必ず風水羅盤を使用して吉凶判断を行います。

私は、三合派、三元派の技法どちらも使っていますが、特に玄空飛星という技法をメインとし、さらに玄空大卦法も使って、陰宅・陽宅風水の判断をしていきます。

現代風水の課題と役割

古代から観察されてきた宇宙の運行や地球の自転・公転法則は、古代人によって発見されていました。しかし、当時の技術では宇宙や地球の姿までは知ることはできず、その理由も分からないままでした。

その後、科学的に証明されたことで、古代の発見が正しいことが証明されましたが、まだ解明されていないことも多くあります。

また、解明できないことは迷信とされることもあります。一方で、一部の自然法則が解明されたため、風水理論が正しいとされることもありますが、誤解があったことも判明しています。

風水理論は、基本的に自然法則を陰陽五行や八卦、干支などに当てはめて解釈していますが、現代の科学的な証明はまだ行われていません。しかし、今後の研究で証明される可能性もあります。

現代の風水師は、誤った理論を率直に認め、正しい理論を進展させることが重要です。また、現代の建築やデザインの進化に合わせ、高性能建物空間に適した風水を取り入れることも大切です。

風水師は、研究と努力を続け、クライアントの期待に応え、より多くの高性能風水空間を作り出すことで、社会に貢献していくことが役割だと思います。

 

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